生活者支援のための知的コンテンツ基盤

プロジェクト概要

映像コンテンツ自体の意味や人間の生活の意味に即して、一般の生活者にも良質の映像コンテンツが簡単に制作できるようにし、かつ情報家電等の機器によってその映像コンテンツが高度利用できるようにする基盤的なソフトウェアの研究です。

概要説明図

研究目的

映像コンテンツの制作と利用の効率と品質を高める技術を提供することにより、プロのクリエータだけでなく一般の生活者にも参画可能なコンテンツの創造と流通の基盤を構築し、コンテンツ産業や情報家電産業を中心とする経済や文化の活性化に貢献する。

ミッションステートメント

映像コンテンツ自体の意味や人間の生活の意味を明示的に扱うことによって、映像コンテンツの意味的な品質を向上させ作成を容易にするとともに高度利用を可能にする、基盤的なソフトウェアの体系およびオントロジーを構築し公開する。アウトリーチ活動として、産業技術総合研究所秋葉原サイトやインターネットにおいて一般の利用者がコンテンツの制作や高度利用を体験できる場を提供する。


内容

映像コンテンツや生活者の行動や家電機器の機能の意味を人間と情報システムが共有するためのオントロジー(概念体系)、および、そのオントロジーに基づく意味記述を解釈するミドルウェアシステムを開発し、そのような意味記述を含めることによって良質の映像コンテンツ(知的映像コンテンツ)を効率的に作成する技術などの、意味に基づくコンテンツの知的処理技術や著作権管理技術を確立する。さらに、一般の利用者も参画できる仕方でこれらを連携させて運用することにより、その有効性を検証し、成果の普及を図る。


意味に基づくコンテンツ処理技術のメリット図

実施体制

中核機関である産業技術総合研究所が意味に基づいて映像コンテンツを処理するための基盤技術を開発し、名古屋大学は意味記述の共有による映像コンテンツの高度利用技術、朝日放送は知的映像コンテンツの制作や配信の実運用、三洋電機は家電機器等の関連機能の高度化、日本電気は知的映像コンテンツの著作権管理を分担する。

実施体制図

諸外国の現状等

1.現状
オントロジーやセマンティックWebに関する研究は多数あるが、意味構造化された映像コンテンツの作成、流通および高度利用に関する研究には見るべきものがない。特に、情報家電のような生活に密着した情報機器を活用した取り組みは存在しない。
2.我が国の水準
日本はセマンティックWeb技術一般については欧米より遅れているが、デジタル情報コンテンツの詳細な内容記述、情報家電のミドルウェア技術やユーザインタフェース技術については先行している。


研究進展・成果がもたらす利点等

映像コンテンツや人間の生活の意味に基づいて良質のコンテンツを低コストで制作しかつ高度に利用できるようにすることにより、社会全体にわたってコンテンツの質と量を向上させるとともに、デジタル放送やインターネットに適合した映像コンテンツの流通モデルを確立し、家電等の利用者端末を介した映像コンテンツの高度利用を可能にする。こうして、映像コンテンツや家電に関わる産業の発展を促進する。
また、意味的品質の高い映像コンテンツが一般の生活者にも制作できるような支援技術を提供することにより、コンテンツ産業の裾野を拡大し、クリエータの人材育成にも貢献できる。さらに、この技術が一般の生活者への普及を介してプロの映像制作の現場にも浸透すれば、映像コンテンツ全般の生産性と品質が向上する。


プロジェクトゴール図

年次計画

平成17年度

  • 映像コンテンツおよび生活に関するオントロジーの第1版を作成する。
  • それを解釈・実行する生活世界ミドルウェアおよび家庭生活ポータルを設計し、その基本部分を実装する。
  • セマンティックビデオオーサリングシステムのプロトタイプを開発する。

平成18年度

  • 音声対話による映像コンテンツの検索等が扱えるようにオントロジーを拡張する。
  • それに応じて生活世界ミドルウェアおよび家庭生活ポータルの機能を拡充する。
  • 一般の利用者がインターネット経由で知的映像コンテンツ(セマンティックビデオオーサリングで作られる、意味的に構造化された映像コンテンツ)を制作したり検索したりできるようにする。

平成19年度

  • セマンティックビデオオーサリングシステムの完成度を高め、プロのクリエータだけでなく素人にも、意味的内容の品質の高いコンテンツが容易に作成できるようにする。
  • そのようにして作られる知的映像コンテンツに関し、家庭生活ポータルとセマンティックトランスコーダを通じて、デジタルテレビ等を介した音声対話による検索、要約、著作権管理等を実現する。

研究助成

本研究は、「デジタルコンテンツ創造等のための研究開発」(平成17年度~19年度)として、文部科学省 科学技術振興調整費の委託を受けて行いました。